トラブル対処

長時間の文字起こしで失敗しないために:2時間の上限、分割、費用の目安

長時間の録音を文字起こしするときに失敗しやすいのは、ファイルの長さの上限、処理中にタブやパソコンが止まること、分割したファイルの時刻のずれの3点です。mydubly なら1ファイル2時間まで扱え、2時間の録音でも120クレジット($0.12)で済みますが、それを超える録音は分割が必要です。この記事では原因と対処法を順に説明します。

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ご注意:mydubly の操作画面は現在英語のみです。日本語音声の文字起こし、日本語への翻訳、日本語音声の生成には対応しています(ボタンの表記が英語になります)。

長時間の文字起こしでつまずきやすい場面

30分程度の録音なら気にならないことが、数時間の録音になると急に問題になります。まず、よく相談される場面を整理しておきます。

  • 終日のセミナーやシンポジウムの録音が1本のファイルになっていて、サービスの上限を超えてしまう。
  • 処理が終わる前にノートパソコンのふたを閉じたり、スリープしたりして、最初からやり直しになる。
  • 録音を分割して文字起こししたら、後半のファイルの時刻が 00:00:00 から始まっていて、元の録音のどこなのかわからなくなる。
  • 休憩中の BGM や雑談の部分に、実際には話していない文が入っている。
  • 無料の範囲で済ませたかったのに、どこまでが無料なのかがはっきりしない。

以下では、それぞれの原因と対処法を見ていきます。長い音声ファイルの扱い全般については長い音声ファイルを文字起こしする方法 (英語)でも解説しています。

1ファイル2時間の上限と、超えたときの分け方

mydubly で扱えるのは1ファイルあたり2時間までです。3時間のシンポジウムや6時間の研修をまとめて録った場合は、2時間以内のファイルに分けてから読み込む必要があります。

分ける位置は、時間で機械的に決めるより、録音の内容の切れ目を選ぶのがコツです。

  1. 録音を音声編集ソフトや動画編集ソフトで開き、休憩、登壇者の交代、質疑応答の開始など、話が途切れる場所を探します。
  2. 波形が平らになっている無音の部分で切ります。発言の途中で切ると、切れ目の前後の言葉が欠けたり、文の意味がつながらなくなったりします。
  3. 書き出すときのファイル名に、元の録音での開始時刻を入れておきます。たとえば「symposium_part2_start-1h52m.m4a」のようにしておくと、後の作業が楽になります。
  4. 動画の場合は、動画のまま分けても、音声だけを取り出してから分けても構いません。分け方の詳細は動画ファイルを分割する方法 (英語)を参照してください。

切れ目に数秒の重なりを持たせる人もいますが、その場合は同じ発言が2つのテキストに重複して出てくるので、つなぐときに片方を消す手間が増えます。無音の部分で切れるなら、重ねる必要はありません。

分割したファイルの時刻を元の録音に合わせる

分割したファイルは、それぞれ 00:00:00 から時刻が始まります。2本目以降のファイルの時刻を元の録音の時刻に直すには、そのファイルの開始時刻を足します。

時刻の換算例

3時間の録音を 1:52:00 の休憩で2つに分けた場合、2本目のテキストで 00:12:30 とある発言は、元の録音では 1:52:00 + 0:12:30 = 2:04:30 の位置です。

テキストとして読むだけなら、2本目の冒頭に「この先の時刻には 1:52:00 を足す」とメモを書いておくだけでも十分です。字幕ファイル(SRT)として使う場合は、多くの字幕編集ソフトにある「全体の時間をずらす」機能で、2本目の字幕をまとめて後ろにずらしてから1本に結合します。手作業で一つずつ書き換えるのは、ミスのもとになるので避けましょう。

処理が途中で止まる原因:タブとスリープ

mydubly はブラウザの中で動くウェブアプリなので、処理が終わるまでタブを開いたままにしておく必要があります。タブを閉じる、別のページに移動する、ブラウザを終了するといった操作をすると、ジョブはキャンセルされます。キャンセルされたジョブのクレジットは戻りますが、最初からやり直しになり、途中から再開する機能はありません。

長時間の録音ほど処理にも時間がかかるので、次の点を事前に確認しておきましょう。

  • ノートパソコンのふたを閉じない。電源やスリープの設定で、処理中に画面が消えてもスリープに入らないようにしておく。
  • OS やブラウザの自動更新による再起動が予定されていないか確認する。
  • 電源アダプタにつないでおく。バッテリー残量が減ると省電力モードに切り替わることがある。
  • 動画を読み込む場合、音声の取り出しはブラウザの中で行われるため、パソコンのメモリを使います。重いタブやアプリはほかに開かないようにすると安定します。

動画ファイルそのものはサーバーに送られず、ブラウザが取り出した音声だけが HTTPS で送信されます。動画がとても大きい場合は、先に音声だけを書き出して音声用の枠「Drop audio here」に読み込むと、ブラウザ側の負担を軽くできます。音声の取り出し方は動画から音声を抜き出す方法 (英語)で紹介しています。

長い録音で起きやすい認識のずれ

長時間の録音では、短い録音では目立たない種類のミスが出やすくなります。原因を知っておくと、見直すべき場所の見当がつきます。

  • 休憩中の BGM や会場のざわめきの区間に、実際には誰も言っていない定型的な文が入ることがあります。これは Whisper 系の音声認識で知られている現象です。mydubly は無音の区間を検出して飛ばしますが、音楽や雑音が鳴り続けている区間は無音とは限りません。見直しの際は休憩時間の前後を重点的に確認してください。詳しくはWhisper のハルシネーション (英語)の解説をどうぞ。
  • 数時間のあいだにマイクの位置がずれたり、登壇者がマイクから離れて歩き回ったりすると、後半だけ声が小さく聞き取りにくくなります。
  • 質疑応答では、会場からの質問がマイクを通っていないことがよくあります。質問の部分が抜けていたら、録音そのものに声が入っていない可能性を疑いましょう。
  • 登壇者が何人いても、話者の区別は付きません。テキストに発言者名を入れたい場合は、プログラムと照らし合わせて手で書き足します。

音声認識の精度がどんな条件で変わるかは、Whisper の文字起こし精度の記事でまとめています。

mydublyで長時間録音を扱うときの費用と限界

文字起こしは1分あたり1クレジット(始まった分ごとに計算)で、1,000クレジットが $1 です。長時間の録音でも料金は分数に比例するだけなので、事前に計算できます。

60分の講演
60クレジット($0.06)
2時間のインタビュー
120クレジット($0.12)
3時間のシンポジウム(2本に分割)
180クレジット($0.18)
60分の講演を訳した音声にする場合
3,000クレジット($3.00)
分割したときの計算

3時間の録音を 1:52:00 と 1:08:00 の2本に分けると、112クレジットと68クレジットで合計180クレジット($0.18)です。分け目の秒数が中途半端だと、始まった分の切り上げで1本につき最大1クレジット増えますが、ほとんど差はありません。

新規登録で付与される100クレジットは、文字起こしなら100分ぶんです。「文字起こし 無料 長時間」で探している人にはっきり伝えておくと、2時間の録音は無料分だけでは足りません。ただし不足分は $1 から追加でき、月額の契約もありません。

できないことも確認しておきましょう。2時間を超えるファイルを1本のまま処理することはできません。タブを閉じた後に処理を続けるバックグラウンド処理や、止まったジョブの再開もありません。要約や話者ラベルは作らず、結果の編集はダウンロードしたテキストを手元のエディタで行います。料金と機能の詳細は音声の文字起こし (英語)のページで確認できます。

無料で長時間の文字起こしをしたいときの選択肢

費用をまったくかけたくない場合は、次のような方法もあります。どれが向いているかは、手元の環境とかけられる手間によって変わります。

  • Whisper を自分のパソコンで動かす方法:オープンソースなので無料で使えますが、導入にはある程度の知識が必要で、処理にかかる時間はパソコンの性能に大きく左右されます。
  • Google ドキュメントの音声入力:マイクから入ってくる音をリアルタイムで文字にする機能なので、録音を再生しながら使うことになり、録音と同じだけの時間がかかります。周りの音も拾いやすい点に注意が必要です。
  • 自分の YouTube チャンネルにアップロードした動画であれば、自動字幕が付くことがあります。ただし公開設定や言語によって扱いが変わるので、社外秘の内容には向きません。

短い録音で手順を試したいときは、iPhone の録音を文字起こしする方法も参考にしてください。

長時間録音を始める前に確認したいこと

文字起こしの手間を減らすいちばんの近道は、録音の段階で長時間ならではの対策をしておくことです。

  • 休憩ごとに録音を止めて別ファイルにする。後から分割する手間がなくなり、1ファイル2時間の上限にも収まります。
  • レコーダーやスマートフォンの空き容量とバッテリーを確認し、可能なら電源につないだまま録る。
  • 登壇者用マイクの音を会場の音響卓から直接録れるなら、それがいちばん聞き取りやすい音になります。
  • 冒頭で日時とイベント名を声で入れておくと、ファイルが増えても取り違えにくくなります。

よくある質問

2時間を超える録音はどうすればいいですか?

音声編集ソフトや動画編集ソフトで、2時間以内のファイルに分けてから読み込んでください。休憩や登壇者の交代など、話が途切れる無音の部分で切ると、言葉が欠けずにきれいにつながります。

長時間の文字起こしを無料でできますか?

新規登録時の100クレジットで、100分ぶんまでは無料で文字起こしできます。それを超える分は1分1クレジットで、2時間の録音なら120クレジット($0.12)です。完全に無料にしたい場合は、Whisper を自分のパソコンで動かす方法などがあります。

処理中にパソコンで別の作業をしてもいいですか?

mydubly のタブを閉じたり、タブを離れて別のページに移動したりするとジョブはキャンセルされます。長時間の処理では、mydubly のタブを表示したまま待つのがいちばん確実です。パソコンがスリープしてもブラウザの処理が止まることがあるので、電源とスリープの設定も確認してください。

途中で止まったジョブは続きから再開できますか?

できません。キャンセルされたジョブは最初からやり直しになります。キャンセルされた分のクレジットは戻るので、二重に支払うことにはなりません。

分割したファイルの時刻を通しの時刻にできますか?

mydubly 側で自動的につなぐ機能はありません。2本目以降の時刻には、そのファイルが元の録音のどこから始まるかを足して読み替えてください。字幕ファイルなら、字幕編集ソフトで全体の時間をずらしてから結合するのが確実です。

休憩中の部分に変な文章が入っています。なぜですか?

音楽や雑音だけの区間に、実際には話されていない定型的な文が入ることは、Whisper 系の音声認識で知られている現象です。休憩の部分をあらかじめ切り取ってから読み込むか、見直しの際にその前後を重点的に確認してください。

数時間の動画でもブラウザで処理できますか?

1ファイル2時間以内であれば動画のまま読み込めます。音声の取り出しはブラウザの中で行われるため、ほかの重いタブを閉じておくと安定します。動画がとても大きい場合は、先に音声だけを書き出して読み込む方法もあります。